自己破産のデメリットはメリットととらえるべき
先日友人から、先輩に泣きつかれて困っていると打ち明けられた。
その先輩はどうもあちこちのサラ金から借金があるらしく、合計すると
とてもじゃないが返済しきれるような額じゃないとか。
自業自得でしょ、のセリフをグッとのみこみ聞いていた友人、ついに
お金を無心されたとか。
「世話になった先輩だから貸したいが、どうしたものか」というのである。
さっそくネットで情報収集。そこで得た大原則。借金が返済できる金額を
大幅に超えているなら、借金そのものを減らさない限り、永久に地獄からは
抜け出せない、である。
この、借金そのものを整理する(=減らす)ことを「債務整理」といって、
特定調停、任意整理、個人再生、自己破産と4種類あるんだそうだ。
なかでも自己破産は債務整理の最終兵器。なんと、借金が帳消しになると
いう。
もし友人が先輩にお金を貸したとして、その後先輩が自己破産したら
どうだろう?
貸したお金はパーになるのだ!
そんなバカな。でもよくよく調べてみると、自己破産前提でお金を借りる
のは詐欺罪に該当するんだとか。
そりゃそうだろ。悪いことを企んではいけないのだ。
この自己破産は、貸す側からしたらホントにバクダンだ。
まず借金の取り立てができなくなる。財産を持っている人間だったら
それらが処分されるからいいが、大方はそんなもの持っていない。
(だから借金してるわけだが)
じゃあ、時代劇のように身ぐるみ剥がされ借金の肩代わりかっていうと
そんなことはなく、カードとかローンがたやすくできなくなるっていう
だけだ。それ以外直接的に困ることなし。全て免責(読んで字のごとし。
責任免除。つまり借金帳消し)。
ホームレスになることもなく、家族にツケが回ることもない。周りに
バレる心配もなく、贅沢さえしなければ基本的な生活は維持できるのだ。
コレ、借金地獄に陥ってる人からすれば、まさに地獄から一気に天国へ
って気分じゃないだろうか。債務者の味方すぎる法律だ。
だったら借金返せないたびに使っちゃおうと考える輩が出てきても
おかしくない。が、自己破産は生涯1度きり。2度とはできないようだ。
最低でも7年間は絶対に無理。
つまり、一生に一度のリセットボタンで生活を一新せよっていう、
お上のお裁きでもあるんだな。
だからクレジットやカード、ローンがしづらくなるとしても、それは
自己破産のデメリットなんかではなく、むしろメリットなのではあるま
いか。
手元にカードがあるからお金を借りてしまうわけで、無ければ借りない
で済むのだ。意志の力でそれができないからこそ、代わりに法律がやって
くれているのだ。
ありがたいではないか。
迷うことはない。先輩にはお金を貸さず、即刻自己破産をすすめるべきで
ある。
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