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複数回の取引が「一連」と認められた判例を徹底検証

複数回の取引が「一連」と認められた判例を徹底検証

 

分断を含む取引の過払い金請求にあたっては、過去の判決例でよく勉強して、
自らの準備書面にいかに反映させるかがカギになってきます。

 

下記に、「一連一体」が認められた判例を紹介します!

 

 

≪平成23年9月1日名古屋高裁判決≫

 

1年半の空白期間のある2つの取引を分断と認めた1審を覆し、
一連と認めた高裁判決である。業者はアコム。

 

 [第1の取引:昭和57年8月4日〜平成3年6月5日の8年10か月間]
 [1年6か月の空白]
 [第2の取引:平成4年11月13日〜平成22年3月8日の17年3か月間]

 

 

◆なぜ一連とみなしたか?

 

・第1の取引と第2の取引の取引期間を合計するとなんと28年間にも及ぶ。
 成人後の生活のほとんどが借金にまみれていたことになる。その28年間の
 取引期間から見れば、1年半のブランクなど相対的に短いといえよう。
 したがって、大きな一連の取引とみなされた。

 

・平成20年1月18日の最高裁の判決を参考にしている。

 

◆結果

 

 過払い元本498万9698円、過払い利息115万8638円、プラス3月9日から支払ま
 での5%分の利息も乗せた満5+5で判決。確定済みである。   

 

 

≪平成23年3月11日名古屋高裁判決≫

 

各々4か月、5か月、9か月、4か月と空白期間のある5つの取引を分断とした1審判決
を覆し、一連と認めた高裁判決である。業者はCFJ.

 

 [第1の取引:昭和63年11月30日〜平成5年3月18日までの約4年半]
 [4か月間の空白]
 [第2の取引:平成5年7月15日〜平成8年7月12日までの3年間]
 [5か月間の空白]
 [第3の取引:平成8年12月24日〜平成10年3月3日までの1年2か月間]
 [9か月の空白]
 [第4の取引:平成10年12月9日〜平成12年3月21日までの2年3か月間]
 [4か月間の空白]
 [第5の取引:平成12年7月21日から平成21年6月15日までの約9年間]

 

◆なぜ一連と認めたか

 

 ・平成20年1月18日の最高裁の判決で示された一連一体の判断基準の中に
 「契約書の返還の有無」がある。有だったら別個の契約と考えられ、無だっ
  たら1つの連続した契約と考えられる。
  この件の場合、契約書の返還と新たな契約書の作成が度々なされている。
  が、取引途中の単なる借換でさえも契約書を返還し新たな契約書を作って
  いるという点から、この件においては契約書の返還イコール基本的貸借契
  約関係の終わりを意味するものではないとした。
  契約書を返したからといって契約が終わったことにはならないということである。

 

 ・また空白期間中に業者社員が債務者の返済能力を調べた記録があることから、
  業者側からの勧誘もあったと考えられる。
  すなわち、基本的な貸借契約関係はずっと続いていると考えられる。

 

 ・5つの取引期間は合計で約21年間にも及ぶ。そのうち空白期間は合計して
  も1年10か月と相対的に短いと言える。したがって連続した1つの取引とし
  て計算するのが妥当である。

 

◆結果

 

 過払い元本622万513円、利息40万6688円、プラス6月16日から支払いまでの
 利息をのせた満5+5での判決。

 

↓ ↓

 

上記2案に共通しているのは、

 

1、空白が有れど、トータルで見ると
長期の借金生活の中のほんの一時期でしかないこと
2、空白期間が合計でも2年以下であること

 

 

これらの他にも判例はたくさんあります。
いろいろ見ていくうちに自分なりの共通点を見つけ出すことで、
それが自身の準備書面に活用できるようになるでしょう。

 

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